ダウン症候群や流産の確率アップや先天異常

高齢出産とダウン症などのリスクとの関係

高齢出産では、先天性の異常を持つ赤ちゃんが産まれてくる確率が高くなると言われています。そのなかでも特に傾向が強いのが「ダウン症」です。

 

医者の間で世界で一番読まれている、権威ある医学誌「ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の論文によると、

 

20歳の妊婦…0.06%
35歳の妊婦…0.2%
45歳以上の妊婦…3% (30人に1人)

 

と、年を重ねるごとに確率が高まっていくことが統計的に示されています。

 

ダウン症はなぜ起こる?

 

ダウン症は、一言で言うと「染色体異常」によって引き起こされる先天異常です。

 

卵子が精子に出会って細胞分裂するときに、染色体のコピーに失敗してしまい、本来であれば2本で一組の受精卵の染色体が、3本の組(トリソミー)になることがあるのです。このトリソミーが第21番染色体で発生してしまうと、子どもはダウン症となるのです。

 

ダウン症の子どもはその特徴的な外見が有名ですが、一定の確率で何らかの知的障害を持つほか、心疾患などの合併症を伴うことも多く、平均寿命は60歳前後とダウン症ではない子供よりもやや短命となる傾向があるようです。

 

具体的に言うと、心室中隔欠損症や心内膜床欠損症、さらには先天性十二指腸閉鎖、白血病などの合併症が多いようです。また、肥満しやすい傾向があるので糖尿病になりやすいという特徴もあります。

 

なお、その他の染色体でも、確率は低いですがトリソミーが起こることが知られています。13番染色体でトリソミーが起こるとパトー症候群、18番染色体で起こるとエドワーズ症候群となります。ダウン症と比べると重篤な症状となることが多く、たいていの場合は流産、生まれても平均数か月の寿命となります。発症率はダウン症よりも低いですが、高齢となるほど発症率が上がるのは同じです。

 

高齢になるほどトリソミーの確率が上がる原因には諸説ありますが、その中でも有力視されているのが「卵子の老化」です。

 

>>卵子の老化はいつから?年齢や防止方法など

 

卵子が衰えることにより、細胞分裂の際にトラブルが起きやすくなると考えられているのです。

 

なぜ高齢出産には流産が多いのか

 

第21番の染色体がトリソミー(3本)になるのがダウン症候群の原因ですが、すでに取り上げたように13番染色体トリソミーのパトー症候群、18番染色体のエドワーズ症候群などさまざまなトリソミーがあります。

 

また、逆に染色体が1本足りない「モノソミー」と呼ばれる状態も存在します。トリソミーの場合は1本多くはなりますが、遺伝子情報そのものは足りています。しかし、モノソミーの場合、染色体が1本足りないということですから、つまり遺伝子情報が足りないということになります。つまり、体を構成する設計図が欠けているということになるので、トリソミーよりもずっと危険性が高いのです。

 

そのため、ダウン症以外のトリソミーや、モノソミーが発生した場合、たいてい赤ちゃんが正常に成長することはできず、流産・もしくは数か月で亡くなってしまうといったことが起こるのです。

 

もともと、20代の妊娠・出産でも、約10%ほどの確率で流産は発生しますが、その原因の9割程度がなんらかの「染色体異常」、つまりトリソミーやモノソミーによって起こると言われています。

 

そこで先ほどの話に戻るのですが、20歳のダウン症発症率が約0.06%に対し、45歳のダウン症発症率は約3%となります。この数値だけ見るとあまり大きくないように見えますが、これは21番染色体に対してだけの話です。その他の染色体のトリソミー・モノソミーについても考慮すると、その確率は跳ね上がってしまうのです。

 

事実、45歳以上の妊婦の流産率は90%を超えていますが、これは大半の胎児になんらかの染色体異常が起こっており、正常に育つことができずに流産に至ってしまっているということだとされているのです。

 

流産確率で考えると、

 

35~39歳 : 約20%
40~44歳 : 約30%~50%
45歳~ : 約90%以上

 

となっていますので、出産できる可能性を考慮すると、高齢出産は41~42歳くらいまでが限度なのではないか、と医学界では考えられているようです。

 

その他の先天異常

 

先天異常の中には、リスクを軽減できると考えられているものもあります。たとえば胎児の背骨の一部が開いて神経の束が露出し、神経に傷がついてしまう「二分脊椎症」、そして大脳がない状態で生まれてしまう「無脳症」に関しては、体内の葉酸不足が原因の一つであると考えられています。そのため、厚生労働省は妊娠前~妊娠中の葉酸摂取を推奨しているのです。

 

また、医学的にはまだ確定はしていませんが、葉酸を摂ることによってダウン症のリスクも軽減することができるという説もあります。そのため、アメリカでは、穀物などに葉酸を添加して日常的に摂取するように義務付けているほどです。

 

老化した卵子を若返らせることはできませんので、せめて葉酸の摂取など、後からできることはできるだけ対策していったほうがよいでしょう。