出生前診断はした方がいい?

検査そのものの危険性を知っておこう

高齢出産のリスクとして気になるのは、やはり『染色体異常』の頻度が年齢が上がるほど高くなるということです。染色体異常はダウン症候群などが代表例です。全年齢でいうと1/1000ほどの頻度ですが、40歳以上だと1/100、45歳以上だと1/30というように確率が跳ね上がることがわかっています。

 

>>ダウン症候群や流産の確率アップや先天異常

 

じゃあ、高齢出産の場合は事前に出生前診断を受けたほうがいいか、というとそんな単純な話ではありません。出生前診断には羊水検査、血液検査、絨毛検査があるのですが、それぞれに問題点があるのです。

 

まず羊水検査ですが、妊娠14~16週に経腹的に羊水を15mlほど採取する方法となります。羊水に含まれている胎児の細胞を検査して染色体を分析するので、かなり確実な診断ができるのですが、細い針をお腹に通して子宮を穿刺するので「破水」や「流産」などのトラブルが起こる可能性があるのです。確率的には1/300となり、確実に安全とは言い切れない部分があります。

 

また、新たな手法として広まっている血液検査(トリプルマーカーチェック)ですが、こちらは血液中のAFP(テルファフェトプロテイン)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、E3(エストリオール)という3種の物質の濃度を測定します。この値と、年齢を考慮して計算すると、一人一人のリスクを数値化することができるのです。この検査は妊娠15週から実行でき、1mlほどの少量の血液で結果を出すことが可能です。当然、羊水検査のような流産のリスクはまったくありませんが、結果が非常にあいまいなのがデメリットです。

 

例えば、

 

「お腹の赤ちゃんがダウン症の確率は1/200です」

 

といった形で提示されるので、確定はできません。なので、確率が高かった場合、羊水検査などに移行するのが一般的です。

 

しかも、安心するために受けた女性が、思ったより悪い確率が表示されて、心の準備ができていなくてショックを受けるケースも多くあります。

 

絨毛検査は、妊娠10週くらいから受けることができるため、比較的早い段階でチェックできる検査と言えます。ただ、流産のリスクが1/50~1/100程度と羊水検査よりも高く、危険性が高いため、特殊な疾患がある場合など、使用がかなり限定されます。

 

なんにしても、どの検査を受けるかは、倫理的な問題、さらにはその人の人生観などに大きく関わってきます。なので、夫婦でしっかり話し合って決めることといえるでしょう。

 

とはいえ判断がつかない、と言う場合は、産婦人科の遺伝外来でカウンセリングを受けるなどして慎重に決定しましょう。